では、内外価格差を解消するにあたってどのような点に留意すべきであるのか。
はじめに、内外価格差を解消することで、失業率が増加することは必至である。
したがって、失業対策が必要となる。内外価格差が解消される過程で、
主に内外価格差の原因となっている労働生産性の低い産業は生産性の向上を
強いられ、多くの失業者を生む一方、新産業が開拓されるようにもなる。
失業対策として最も望ましいのは、失業者をいかにして新産業に配置・転換
させるかを考えることである。直接的な方法としては、失業者のための職業紹介
システムの充実、失業者の再教育、再訓練
がある。しかしながら、失業者が必ずしも新産業に適任であるとは限らない。
従って、労働市場をもっと流動化させ、すべての労働者が各々最も
適任である分野に配置・転換されることが必要とされる。
具体的には、次のような3つの面からの
政策が適当であろう。