以上のような労働面からの対応策に加え、次のような点にも留意する必要がある。 すなわち、 産業調整の過程で生産が海外に移転し、国内生産が縮小することで、 対外黒字が減少すれば、やがて円安に向かうようになり、日本企業は国際競争力を 取り戻すことになるであろう。その時点であまりにも産業空洞化が進んでしまっ ていては問題である。したがって、日本の産業は技術革新を推進し、空洞化の 抑制に寄与すべきである。
次に内外価格差を解消する手段としての規制緩和は、特に非製造業の生産性向上に 留意すべきであり、また新産業開拓の発展に寄与するように行うべきである。
最後に、生産者と消費者が持つ商品情報についての格差など にみられる情報の非対称性を解消し、 消費者の目を向上させるべきである。 それに必要なのは情報公開の徹底と情報通信ネットワークの確立である。