日本の高貯蓄率が問題となってきたのは、石油危機以降、高貯蓄率が経済成長の足を引っ張ると考えられるようになったことも理由の一つであるが、やはり経常収支黒字の問題が大きく影響している。国内の貯蓄超過が経常収支黒字を生み出しているとして、経常収支赤字の拡大しつつあったアメリカがきびしく非難してきたのである。さらに、アメリカの対日貿易赤字が拡大し、アメリカの国内産業に大きな被害を与えたとして、大きな政治問題まで発展している。この問題はどのように考えるべきであろう。日本は貯蓄率を低下させなければならないのであろうか。