next up previous contents
Next: 対外収支不均衡と貯蓄率 Up: 高齢化社会の経済構造 Previous: 原田・高田(1993)のシミュレーション

まとめ

上記のシミュレーションには、以下に述べるような問題を見落していると思われる。まず、いくら貯蓄があっても、それが投資に結びつかなければ成長を維持することは出来ない。また、高蓄積社会と資本労働比率の高い社会は、直接的に関係がないと思われる。さらに、資本労働比率が高ければよいというのならば、人口は少なければ少なければ良いということになる。

しかし、このシミュレーションから

ということが分かる。

以上の結果を見ると、今後日本の貯蓄率を低下させないような政策をとっていくことが重要であると思われる。しかし、政策というものは国内の問題のみを捉えて決定すべきではなく、国外の問題にも目を向ける必要がある。そうすると現在、日本は対外収支不均衡の問題により、貯蓄率を低下させるように要求されている。この問題はどのように考えれば良いのか。次に、このことについて見てみることにする。



Fumihito Maegawa
Mon Mar 16 20:15:21 JST 1998