では、内外価格差の実態はどうなっているのかをこれから みてみたい。
図表2において、総合してみると東京はいずれの都市に対しても 1.4倍前後の内外価格差があることがわかる。 財に関しては、食料品、被服・履物はいずれの都市に 対しても東京の方が割高となっている。耐久財はニューヨークに対しては割高と なっているが、その他の都市に対してはほぼ同じ水準となっている。 また、サービスに関しては、家賃はいずれの都市に対しても東京の方が 割高となっており、特にニューヨークに対する価格差が大きくなっている。 家賃以外の一般のサービスについては、ロンドンに対しては東京の方が 割高となっているが、他の都市に対してはほぼ同水準となっている。
ここで、注目すべきは、食料品、被服・履物、家賃について内外価格差が大きい
という事実であり、そのことは、日本の内外価格差のコストはエンゲル係数の高い、
所得の低い家計がより多く負担していることを示している点である。