わが国の家計所得は名目上世界最高水準となったとはいえ、国民の生活実感としては
なかなか世界最高水準を感じられるには至っていない。その理由として、
内外価格差の存在によって実質的な購買力が低いことが挙げられている。
特に、日本からの海外渡航者が増えるに従い、そうした意識が一層強まってきた
ようにうかがわれる(図表1)。
更に、上式から明らかなように円高によって内外価格差は拡大するが、
昭和60年9月のプラザ合意以降は急激かつ傾向的な円高を背景に
内外価格差の問題はますます深刻化しており、その是正が叫ばれるよ
うになった。