土地資産は、これまで高いキャピタルゲインを生み出してきており、かつ少なくともインフレ・リスクはないであろうと考えられている。そこで、キャピタルゲインの実現を阻害しかねない土地の活用は好まない。インフレ・リスクのない唯一の金融商品は公的年金であるが、自分で額や支払方法を決めて自由に購入できるわけではなく、しかも将来、制度がどのように変更されるかわからないというリスクがある。
貨幣に対する限界効用が、年金の給付額である200万円付近以降において急激に低減する。すなわち、年金給付で基本的な生活を賄ってゆけ、あらためてフローの所得を得ようという意欲が生まれないのである。