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具体的な対策

住宅資産の活用のためには、譲渡所得税、相続税の軽減、借地借家法の改正が有効であると思われる。結局のところ大部分のひとは住宅資産を金融資産に転換しないのであるから、住宅資産から譲渡税も相続税も得ることはできない。それよりもむしろ、実物資産であれ金融資産で荒れ資産にかかる譲渡所得税や相続税を廃止することによって、高齢者にフローの所得を生みだし、年金給付を減額する方が望ましいのではないか。実際には誰も払わない税金をつくり、制度の上だけで日本の資産分布を平等にしてもなんの意味もないのではないだろうか。

また、地主や家主の権利を保護するために借地借家法を改正し、貸し手のリスクを小さくし、資産活用時のコストを軽減することが必要である。借地借家法は、すでに借地・借家人になっている人の権利は守っているが、これから借りたいという人の権利を守っているとはいえない。それは、本来利用されるべき借地・借家が市場に供給できないからである。



Fumihito Maegawa
Mon Mar 16 20:15:21 JST 1998