銀行は、定型的な事務書式に基づき、日々大量に発生する資金の流出入を所定 の時間内に処理しなければならないという業務の性格上、預金・貸出・為替等 各科目の受払いは口座元帳への人手による記帳により処理されるなど、労働集 約的な事務処理体制を採用していた。
しかし、６０年代後半以降、第一次、二次、三次オンライン化と銀行業務にお
けるエレクトロニクス化が進展するにつれて、従来型の銀行業務の合理化・効
率化はもとより、情報通信技術を駆使した新たな業務戦略に重点が置かれるよ
うになっている。近年における金融のエレクトロニクス化は、国際業務、証券
業務、金融派生商品や信用供与プロセスのアンバンドリング等の新しい分野へ
の対応力の強化や市場・顧客情報の高度利用が狙いとされるなど、戦略的重要
分野での競争力確保のためのものとなっている
。
銀行間や郵便局、証券会社での資金決済に関するエレクトロニクス化も行われ、 顧客サービスの利便性向上と効率化が図られている。