Footnotes

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リストラクチュ アリングが「経営資源を縮小し、組織を改革する内部指向で斬新的に見直し、 業績を縮小する」という、どちらかといえば守りの経営手法であるのに対し、 リエンジニアリングは「コスト、品質、サービス、スピードのような重大で現 代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するために、ビジネス・プロセスを根 本的に考え直し、抜本的にそれをデザインし直すこと」というように外部指向 的である。ハマー・チャンピー(1993)。

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ユニバーサルバンクは、第4節で述べるように狭い意味 でと広い意味では、その形態が異なってくる。図1では、いくつかのユニバー サルバンクの形態を現している。各国の法制度の違いによってユニバーサルバ ンクの形は幅広くとらえることができる。しかし、いづれにおいても、その制 度の目的とする経済効果は共通するところが多いことから、本レポートでは、 親会社または子会社といった方式は問わず、複数の金融業務を行う金融機関の ことをユニバーサルバンクとする。また、複数の金融業務を行うことをユニバー サルバンキングと呼ぶ。

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日本経済は、 1955年以降70年代初頭まで、大幅な景気変動を伴いつつも企業の旺盛な 設備投資と輸出の高い伸びに支えられて高度成長を遂げた。高度性長期におけ る資金循環面での特徴としては、法人企業部門が高水準の資金不足状態にあっ た一方、個人部門は高水準の資金余剰となっていたことが挙げられる(図2参 照)。

このような資金循環構造を前提として高度性長期においては、個人部門の資金 余剰を基幹産業を中心とする法人金融部門へと円滑に融通し、輸出・設備投資 主導の経済成長を金融面から支えることが求められた。このため、個人部門の 貯蓄資金を金融機関に集中のうえ成長戦略産業へと低利で重点的に配分するこ とを狙いとして、業務分野規制、金利規制および内外市場分断規制に加え起債 調整など、各種の競争制限的規制が課され、それらの規制に支えられる形で、 高度成長においては間接金融主体の企業金融が支配的な形態となっていた。

しかし、1973年の第一次石油危機の発生や変動相場制への移行等を契機と して、わが国の金融・経済をとりまく内外条件が大きく変化することになった。 すなわち、日本経済の安定成長経路への移行に対応して、わが国企業は減量経 営を押し進めたほか、産業構造の面でも重厚長大型産業から省資源・省エネル ギー型あるいは知識集約型産業への転換が図られた。また、所得の伸び率低下 から、家計は貯蓄形成とその収益性に対しこれまで以上の注意を払うようになっ た。こうした民間非金融機関部門による対応は、金融面においては資金余剰の 拡大および金利選好意識の高まりとして現れた。

一方、公共部門では、景気の下支えを狙いとして積極的な財政支出の拡大が図 られた反面、税収が伸び悩んだ結果、1975年以降、財政赤字が拡大した。 その対応として国債の大量発行がもたらされ、結果として国債流通市場の拡大 を促した。加えて、為替管理の緩和・弾力化を背景として、日本経済の国際化 や内外資本移動の活発化も進展したが、そうしたなかで金融の国際化が進み、 この面からも高度成長の金融制度は変革を迫られることになった。

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Feeney(1995)を参照

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Feeney(1995)、岩村(1995)を参照。

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日本銀行金融研究所 (1995)を参照。

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Feeney(1995)を参照。

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信用供与のプロセスは金融仲介の4つの機 能に対応している。(1)は事前的な審査機能、(2)は信用の負担、(3) (4)は資金提供機能、(5)は事後的な債権管理である。池尾(1995) を参照。

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スキームの中心は、証券化プロジェクトを実行するために特に設置 された資産保有体であり、この資産保有体は、決められた目的のために特に設 置された仕組みであるという意味で、SPV(special purpose vehicle)と呼ば れる。一般化された利益最大化のためではなく、特定目的のために設置され運 営されるという意味で、SPVには信託の形式がよく採用される。証券を発行し て資金を調達し、クレジットカード会社が保有する利用者向け債権を購入する のが、SPVの主要な機能である。SPVは、基本的には資産所有と債務負担の単位 であるに過ぎず、債権の回収や負債の償還を行う実務的な機能はないので、こ れをSPVに代わって行うものが指定されるが、そうした事務代行者はサービサー (servicer)と呼ばれる。また、最初にクレジットカードを所有していたクレ ジットカード会社は、債権を作り出したという意味でオリジネーター (originater)と呼ばれ、されにSPVに債権を売却したという意味でセラー (seller)とも呼ばれるが、実務上はサービサーをかねることも多い。岩村 (1995)。

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大規模なプロジェクトファイ ナンス案件においては、客観的な評価が容易ないわゆる上位債権を有価証券の 形式で募集することもある。岩村(1995)。

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派生型セキュリタイゼーションの影響もあって、シンジケー ト・ローンは1986年に300億ドルであったのが、1990年には400 0億ドルにまで増加した。Feeney(1995)。

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たとえば、銀行貸出市場では目論見書(prospectus)を 作成する必要はない。

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サブ・パーティ シパント、アサイメント、ノベーションについてはFeeney(1995)、池尾・ 金子・鹿野(1993)、貝塚・池尾(1992)を参照。TLIとTLCについて はFeeney(1995)を参照。

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岩村(1995)。

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外部債 権者からの信認を維持しながら企業行動を選択しなければならない状況におか れている企業経営者の問題。この問題認識の枠組みでは、企業債務の購入とい うかたちで企業に投資する債権者と企業経営者との間には、債権者を依頼者と し経営者を代理人とする暗黙の代理関係(エージェンシー関係)が成立してい ると考えることになる。

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エージェンシー問題につい てはFeeneyも言及している。特に優良企業は、外部債権者としての銀行の影響 を最小限に止めるために、銀行借り入れの比率を低くしようとする。そこで、 銀行は外部債権者であると同時に株主になることによって増加したリスクに対 応したリターンを得るように行動する。

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ドイツでは銀行や証券、信託に加えて保険をも 手がけるアルフィナンツが一般的になってきている。

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相沢(1994)を参照

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相沢(1994)、池尾・金子・鹿野 (1993)、ライタン(1988)を参照。

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1つの 企業が複数のの事業を同時に行なうことによって、それぞれ別に行なった場合 よりも有利になるという相乗効果。

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ライタン(1988)は、銀行が保険引受業務に参入することによっ て、たとえ個別的にはそれぞれの業務がより大きなリスクを持っていたとして も、銀行の収益形態が保険のそれと負の相関関係にあれば、リスクにさらされ る割合を低下させることができるとし、その実証分析を行っている。

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ユニバーサルバンク制度には、以上述べたような長所があるが、同 時に内包する問題点として3つ挙げられる。第一に、銀行の業務範囲が拡大す ると、銀行への経済力の集中が起こり、銀行による産業支配といった事態に至 りかねない。そして、そうした集中した経済力を背景にした企業に対する融資 の強要などが生じ、資本市場の健全な発展の障害となることが予想される。第 二に、銀行に証券業務への進出を認めることは、銀行のリスク負担の機会を拡 大することになり、銀行経営の健全性と安定性を損ねることになる。第三に、 銀行が性格の異なった様々な顧客と取引するようになると、特定の顧客の利益 を優先して他の顧客の利益を損ねるという利益相反が生じる。もっとも、競争 の促進といった長所と過度の経済力の集中といった問題、または、リスクを分 散する長所とリスク負担の拡大という問題が同時に成立することはありえず、 メリットとデメリットのいずれが現実化するかは、今後の規制のあり方に依存 する。相沢(1994)。

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最 近のコーポレート・ガバナンスに関する議論や、株主代表訴訟に関する改正商 法の施行なども株主を重視する企業経営のあり方の変化を物語っている。

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岩田(1996)を参照。

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池尾(1995)を 参照。

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日本経済新聞では、他にソフトウエアなどの知的所有 権を担保として評価する方法が研究されていることや、1億円まで無担保で貸 し出される制度などが紹介されている。そして最後に、中小企業やベンチャー 企業との取引は、貸し倒れリスクも大きいことから、リスク管理手法の強化を 訴えている。

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バリュー・アット・リスク法とは、特定の保有期間中に、ある 一定の確率で発生し得る最大損失額を統計的に予測するリスク管理手法である。 この手法によれば、各商品ごとのリスク量を同一の指標により把握することが でき、それを合算することにより勘定全体のリスク量の計測も可能である。

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日本銀行調査統計局(1995)を参照。

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具体的には岩村(1 995)参照。

Hidefumi Watanabe
Tue Apr 30 13:44:21 JST 1996