流通の問題が内外価格差を引き起こしている一因としてクローズアップされて きた一番の理由は、日米構造協議において日本の流通における系列取引を指摘きた ものであった。流通においては、卸売の多段階性、建値制、リベート制などが 取り上げられているが、議論の余地はある 。 したがってここでは、日本特有な 商慣行として返品制をとりあげる。
百貨店による衣料品取扱いについてみると、92年時点では、委託契約や
返品条件付きの買取契約が主流であり、また、卸売への返品率は26%と
なっているなど、百貨店側はリスクをあまり負わない形態となっている。
こうしたことは、仕入れコストを高め、百貨店の衣料品価格を高止まりさせている。
百貨店向けの契約を委託契約から買取契約に変更することによって、返品リスクや
販売員の派遣経費がなくなれば、価格を30〜40%程度引き下げられるという
。