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電気機器産業が取り組んでいる金融サ−ビス

ここでは、ICカ−ドを利用したサ−ビスについてとりあげる。日立製作所は電子 マネ−開発会社、英モンデックス・インタ−ナショナルと他のアメリカ・ドイツの 企業などと日米欧7社と企業連合を結成、1998年初めに世界各国で多機能ICカ− ドを商業化すると発表したgif。カ−ド 内に独自の基本ソフト(OS)を搭載、クレジットカ−ド、銀行カ−ドとしての利用 から電子商取引、個人情報の蓄積までさまざまな用途を1枚のカ−ドでこなせるよう にする予定である。
 モンデックスが新カ−ドの開発、普及のために発足した企業連合には、日立などの ほか、モンデックスの筆頭株主になったマスタ−カ−ドやICカ−ドメ−カ−の仏ジェム プラス、豪キ−コ−プが参加した。ICカ−ドには「MULTOS」と呼ぶOSを搭載、様々な 応用ソフトをカ−ド上に取り込めるようにする。例えばス−パ−やガソリンスタンド などでは従来、顧客はクレジットカ−ドなどとは別に、点数がたまると商品などがもら える特典カ−ドを出している。新カ−ドではカ−ドに専用ソフトを取り組んでおくこと で、1枚のカ−ドで複数のサ−ビスが受けられるようになる。消費者はカ−ド読み取 り機付きの電話やパソコンを通じて小売業者などからオンラインで専用ソフトを取り 組むことができ、いらなくなったソフトの消去もできる。日立は半導体やカ−ドの 製造、今後の技術改良などにも中心的役割を果たす。
 この多機能ICカ−ドの使い方は、ある時は自宅のパソコンに差し込みインタ− ネットでの買物に使い、ある時は会社所有の携帯電話にサし込んで使用資格を証明 する。随時電子マネ−を補充して小銭入れとして使うほか、病院の医療カルテや運転 免許書かわりにもなり、クレジットカ−ドや銀行カ−ドにも使えるというのが使い 方の青写真である(資料1-9参照)。新カ−ドではカ−ドに埋め込んだ4ミリ角の高性能CPU(中央演算 処理装置)がパソコンのように機能する。従来型のICカ−ドと違って機能を自由に 追加・変更できるのが特徴である。1枚のカ−ドを多くのサ−ビス提供者が共有でき るため、ICカ−ド普及の課題になっている発行コストの低減につながる。
   米調査会社のデ−タ・クエストによると、電子マネ−などに対応できるCPU付き ICカ−ドの市場規模は、1995年に8400万枚だったのが、2001年には 12億枚に膨れ上がる見通しである。