日本の電気機器産業は、世界でもトップクラスの先端技術を有している。先端技術の
中でも半導体に関しては、世界で1、2を争う力を持っている。半導体産業は、電子
部品としての半導体デバイスを開発・生産する最先端技術産業であり、1947年に
アメリカAT&Tベル研究所でトランジスタが発明されたことにより誕生した。1950年
代に同じくアメリカでIC(集積回路、Integrated Circuit)が考案され、産業の基礎が築
かれた。発祥地のカリフォルニアのシリコンバレ−には一時数百ものベンチャ−企業が
覇を競った。
半導体デバイスはトランジスタやダイオ−ドに代表される半導体素子(個別半導
体、ディスクリ−トともよぶ)と複数の半導体素子、コンデンサ−、抵抗などを
一体的に電子回路化したICとに大別される。産業用、民生用各種電子機器に組み込
まれて、製品の小型化、軽量化、高機能化、高信頼化、低価格化、低消費電力化
をもたらした。絶え間ない技術開発競争が展開されており、とりわけ半導体のテクノ
ロジ−・ドライバ−(技術牽引者)と称されるダイナミックRAM(DRAM記憶保持動作
が必要な随時書き込み読みだしメモリ−)の高集積化、微細加工技術高度化の進歩は
著しい。