金融仲介機能の構成要素への分解



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金融仲介機能の構成要素への分解

金融仲介機能は、(1)銀行が短期の間接証券(預金証書)を発行することによ り、預金というかたちで資金を調達し、その資金をもって本源的証券として貸出資金 を取得することによって変換するという資金変換機能と(2)借り手に資金を提供するという与信機 能に分解することができる。ところが、この両者の機能は一つの組織によって結 合的に提供されなければならない類のものではない。

たとえば、小口の預金集めに専念し、調達資金を主に国債購入や金融市場に放 出する形で運用している銀行は、(1)の機能に特化しており、運用資金をもっ ぱら市場性資金に頼っている銀行は、(2)の機能に特化している。また、変 換機能を営んでいるのは、銀行だけではなく、例えば、保険会社も、銀行のそ れとは異なった形で変換機能を行なっている[3]

金融情報システムの対外接続系システムが整備されている現在、先の例のよう に得意分野の違う銀行同志や銀行と他の金融機関との分業体制を組む方が、適 切な金融仲介機能が提供できる可能性が高まっていると考えられる。





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Hidefumi Watanabe
Sat Jan 6 19:31:05 JST 1996