インターネットの商用利用は、個人ユーザー向けのオンラインショッピングに
とどまらず、将来的には企業間の取り引きにまで及ぶことが予想されており、
インターネットを利用した''electronic commerce''の実現が期待されている。
しかし、インターネットは元来、学術目的で利用されていた経緯もあるため、
資金決済を行なうに充分なセキュリティー対策に欠けているといわれ、個人の
ショッピングにおいても、クレジット・カード番号などの買いものの代金決済
に必要な情報は、電話・郵便・FAXなどインターネット以外の通信手段で行な
われている例も多い(前出の図10)。
インターネット上の資金決済方法として現在研究されているものは、
(1)既存の決済手段をインターネット上において安全なかたちで使用する、
(2)インターネット固有の安全な決済手段を新たに開発する、という二つに
分類することができる。