この章では、認証技術を説明する上で必要な暗号技術について解説する。まず、
暗号を理解する上で知っておくべき用語について触れておく。普通に読んでも
意味の通じるオリジナルの文章や数列が「平文」、そして平文を何らかの手段
によって第三者にとって意味の通じないものにする行為を「暗号化」
(encryption)と呼ぶ。この暗号化された文章が「暗号文」であり、それを平文
に戻すことを「復号化」(decoding)と呼ぶ。このような暗号化、復号化は「ア
ルゴリズム」(algorithm)と呼ばれる一定の手順や数式に従ってもとの文章や
数列を数学的に処理することで行われ、その際に変数として計算に利用する数
値やその組み合わせのことを「鍵」(key)と呼ぶ
。
暗号技術には大きく分けて二つの方式があり、それぞれ「共通鍵方式」(ある いは「秘密鍵方式」)、「公開鍵方式」と呼ばれている。その仕組みについて 簡単に解説する。