金融サ−ビス産業の形成により、消費者にとっては幅広い選択肢が与えられより
便利で安価なサ−ビスを得ることができるようになる。自由化、テクノロジ−の進歩
などによって他産業の進出がみられる活気ある金融サ−ビス産業をより一層活気のあ
る、消費者にとって望ましいものにするためには新しい金融システムに対応したル−ル
をはやく設ける必要があるのだ。
金融サ−ビス産業に必要なル−ルとして、競争の芽を摘み取らないようなル−ルで
あり、かつ責任の所在を明確にすることが必要であると思う。新しく出てくる便利で
安価なサ−ビスの中には、そのサ−ビスについて熟知していないと失敗をしたときに
非常に高額な損害を出すものもあると思われる。便利で安価なサ−ビスでハイリタ−ン
を望むのであれば、ハイリクスを背負う可能性や場合があることを消費者の側が認識し
ていなければいけない。消費者の側でサ−ビスについてのリスクを認識することは最
低限必要である。そのためには、金融サ−ビスを提供する企業についての情報を
消費者に明示しなければいけない。情報の開示が求められるのである。
また、当事者の権利、義務、責任を確立しなければいけない。例えば、アメリカに
おいては第三者による無権限取引が行われた場合の金融機関と消費者の間の責任ル−ル
として、いわゆる「50ドルル−ル」がある。「50ドルル−ル」とは、消費者の
カ−ド等の紛失や盗難の発見からその通知までの時の経過を基準として責任額を決定
し、消費者の過失の程度は問わないというものである。このように、今までになかったサ−ビスが
でてきたときには、規制するよりも新たな権利、義務、責任を明確にするル−ルを作
って競争を促進さすべきである。
金融システムを自由で安定的で効率的なシステムにするためには、競争を促進させ
ると同時に責任の所在を明確にするル−ル作りが必要である。
以上