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考えられる電気通信産業による金融サ−ビス

現在はまだサ−ビスとして提供する段階にいたっていないが、NTTの決済分野への 取組をみていきたい。
 NTTは日本銀行と共同で、電子マネ−を開発した(資料1-8参照)。まだ実用段階にはいたっていな いが、実用段階に入り普及すると決済分野への進出が考えられる。NTT方式電子現金 の特徴gifとしては 、以下のことがある。インタ−ネットでの利用を想定し、ネットワ−ク上でのオンラ インショッピング等で実際の現金と同じように利用できるようにすることを目標とし ている。セキュリティに関しては、高度な暗号化技術の利用により、ICカ−ドのような 物理的な対策手段を利用することなく不正使用対策を実現した。また、不正利用者の 追跡を可能にしながらも、利用者の購買履歴を追及不可能とすることによる利用者の プライバシ−の保護を確保している。特に安全性の向上・必要とされるコンピュ−タ 資源の削減・電子現金の分割・譲渡に力を入れて開発した。
 このNTTと日本銀行の共同開発電子マネ−は、郵政省が10月から始める実験で採用 される。4月末時点での参加予定企業はあさひ、大和、東海の各行、全国信用金庫 連合など金融機関やNTT、国際電信電話(KDD)、新潮社など合計31社ということで ある。
 電子マネ−実験の他には、NTTはさくら銀行と企業内の国内・海外拠点間の資金移動 を瞬時に処理する「国際CMS(キャッシュ・マネジメント・サ−ビス)」に乗り出す。 CMSは企業が手元の端末で複数の口座の入手金明細や残高を一度に 照会したり、振り替えや振り込みを指示できるシステムである。NTTは専用回線の提供や 東京に設置するシステムセンタ−の運営・管理に携わる。NTTの大規模容量回線を利用 するため、他の主要邦銀も参加した共同システムに発展する可能性が大きいということ であるgif
 以上のように電気通信産業は、既にもっている自前のネットワ−ク、先端情報処理 技術、そのノウハウによって、決済分野などといった金融業の中でもデ−タの 送受をともなう業務でのポテンシャルが非常に高いと思われる。今後、電気通信産業 は決済分野やデ−タの送受などでの先端技術をいかした新たなサ−ビスを提供する可 能性が大きいと思われる。