一次オンでは、前節の背景から発生した課題を解決することを目的に整備が進 められた。「省力化」「事務効率化」(図1の(1)を参照)をその目的とし てあげることができる。一次オンの整備状況は大きく3つに分類することがで きる。
一次オンは、勘定系を主体に窓口業務の迅速化・簡素化や元帳の本部コンピュー ターへの集中による事務量削減等を可能とすることにより、営業店の事務効率 化に大きく貢献した。また、それまではネットワーク化されていなかった本部・ 営業店間がオンラインにより結合されることで、同一金融機関内であればいず れの支店でも預金の出し入れができるようになった。そして、給与の自動振込、 電気やガス等の公共料金の自動振替、CD(現金自動支払機)による支払など の、新しいさまざまなサービスを顧客に提供することが可能となった。
技術面からみるならば、第一次オンでは、端末機および、コンピューターの機 能に制約があり一科目一取引のオンライン処理が限界であった。そのため、一 次オンの特徴として「単科目処理」(図1の(1)を参照)が挙げられる。し かし、それまでのオフライン取引に比べ、銀行事務の合理化に絶大な効果を発 揮していたということができる。