昭和30年代以降、わが国の金融機関はいわゆる「大衆化路線」へと経営の方針を転換しつつあっ た。その結果として、増大する顧客・事務量、人手不足といった問題に直面し た。特に、普通預金業務の拡大に対して、いかに対処するかが当面の課題であっ た。つまり、普通預金業務はその取引の大部分が営業店カウンターで顧客と直 接行われるため、増大する顧客を背景に迅速かつ正確な処理が可能な情報処理 システムが求められた。
こうして、昭和40年に一部の都市銀行によるオンラインシステムの稼働開始 により、金融界は第一次オンラインシステム(以下、「一次オン」と略す)の 時代を迎えることになる。