米国ではSETにおける認証局の技術提供を、MasterCardについては電気通信会 社GTE社の子会社であるGTE CyberTrust社 が行っている。一方、Visaについて はRSA Data Security、Visa、電話会社Ameritechのジョイント・ベンチャーで あるVerisign社が技術提供を行ってい る。両社ともクレジット決済における認証以外にもビジネスとして認証局の運 営を行っており、着々と実績を積んですでに日本法人も設立している(資料 2-8)。その出資企業には日本の大手電話通信会社、銀行、カード会社、商社 などが名をつらねており、日本企業の認証局に対する関心の高さが伺える。
この背景にはSETが5月末に正式に発表され、実用化段階に入ってきたことが挙 げられる。すでにJCB・住友クレジットカードサービスの両社はサイバートラ ストとの間にSET対応の認証サービスの請け負い契約を交わしている 。これは設備や運用面で非常に厳しいセキュリティ 要件を満たさなければならない認証局の機能をアウトソーシングしようとする カード会社のニーズに、サイバートラストがこたえようとしているものである。
このように米国主導の感がある認証局だが、国内独自の認証局設立の動きがあ る。富士通、日立製作所、NECの3社が本年10月に新会社「(仮)日本認証サー ビス」を設立する予定である。日本独自 の決済や商習慣に合わせたサービスを行うことによって米国勢に対抗できるか どうか、国際標準となると見られる米国の技術との互換性などが注目される点 である。