電子マネーの利便性
ネットワ−ク上での電子商取引においては、既存の決済手段を直接使わないでも
電子マネ−を使うことによって、発注・決済等の行為をネットワ−ク内で完結させ
ることができる。特に情報商品の場合は納品もネットワ−クでできることから、
すべての行為をネットワ−ク内で完結できることになる。
また他にも電子マネ−の利便性として、既存の決済サ−ビスに比べて決済時間に制
約が無いことがあげられる。例えば、銀行振込であれば利用時間帯に制約があり、少
額の場合、送金額に比べ相対的に手数料が高い。また、クレジットカ−ドは支払い時の
与信照会やクレジット会社の事務処理コスト等の問題がある。郵便為替は利用時間に
制約があり、買主が送金してから売主に入金されるまで時間がかかる。このような
既存の決済サ−ビスに比べると、電子マネ−には利用時間帯の制約は無く、ネット
ワ−クにつながったコンピュ−タがある限り24時間家に居ながらにして利用可能
であるなど制約が少ない。つまり、家に居ながらにして
、それも好きな時間帯にショッピングを楽しむことができ、代金も時間帯にかかわら
ずその場で支払えるのである。現に、電子マネ−と同じよう
に利用時間帯・手数料等の面で利便性の高いコンビニエンスストアの収納代行サ−
ビスの利用が急増している。このことからも、人々の制約のない決済手段への
ニ−ズがうかがえる。
インタ−ネット上で買物をする場合に限らず、一般に店舗で買物をする場合でも、
ICカ−ド方式の電子マネ−(以下の3.2クレジットカ−ド方式で詳しく説
明するが、ICカ−ド方式とはICカ−ドに現金価値を持った電子デ−タを保有して、
その電子デ−タを出し入れすることによって決済機能を果たす電子マネ−の一方式
である。)であれば財布を持ち歩かなくてもICカ−ド1枚で装置が整備されれば用が
足りることになる。日本ではすでにプリペ−ドカ−ドが広く普及しているため、新
たにICカ−ドが加わることの評価は他の国に比べると低い可能性もある。しかし、
テレホンカ−ド(電話料金)、メトロカ−ド(地下鉄料金)、オレンジカ−ド(JR
料金)等用途によって数々のカ−ドを持ち歩かなければいけない。しかし、ICカ
−ドが普及すれば、電話代から電車代、駐車場料金、ス−パ−での買物にいたるまで
1枚のカ−ドで済ますことができる。今までの、用途ごとに異なっていたプリペ−
ドカ−ドを1枚のICカ−ドに統合することによって、「電子財布(electronic purse)」
とでもいうべきものができあがるのである。
利用者とサービス提供者の立場から、電子マネーに求められる特性を表にまとめた
ものとして資料4を参照していただきたい。今日では、生活環境が変化し人々の経済
活動、趣向性、生活が多様している。そうした中で、既存の決済手段・決済システム
に比べてより制約の少ない電子マネ−は現代の人々の生活に適しており、大きなメリ
ットを持っていることになる。
previous
next