インターネットバンキングの仕組み

顧客はインターネットの各銀行のホームページにアクセスし、そこで口座番号、 暗証番号等を入力、画面の指示に従ってサービスを受ける。安全性に関しては、 途中で経由するシステムによって守られている。

現在提供されている各種サービスは、途中で経由するシステムによって2種類 に分けることができる。一つはNTTデータ通信が運営する「銀行ANSER」を経由 するものである。そしてもう一つは、銀行が独自で開発したシステムを経由す るものである(資料2)

近年進められているインターネットを経由するシステムには、新しく 「ANSER-WEB」を従来の「銀行ANSER」に追加するという形で対応されている。 現在、この「ANSER-WEB」は、銀行の照会系サービス(残高照会、入出金明細 照会)については商用化(1997年11月より)、資金移動系サービス(振込、振 替)については試験的にサービスを提供(1997年11月より)しているという段 階である(資料3)。ANSER利用の メリットは、(注)

(1) 共同利用のためコストが安い

(2)NTTデータの管理下にあり安全性が保証 される

(3)多数の金融機関 が参加し、他行向け振込等ができるマルチバンク機能がある

等が挙げ られる。 しかし、ANSERを使用したサービスの場合、

(1)サービス内容及び利用時間が限られるため独自の 戦略が取り難い

(2)顧客に専用のソフトを購入させなければならないため 顧客負担が大きい

(3)「第2 種パケット交換サービス」を顧客がNTTと新たに契約を結ばなければなら ない

等、制約が多い。そのため、都市銀行の多くや一部の地方銀行等では この「ANSER」を使用せず、独自のシステムを使用することにより、他行には ない独自のサービスを提供したり、利用時間をほぼ24時間に近づけたり、専用 ソフトを購入せずにサービスを受けることができる(注)ようにしたりと、利便性の高さを追求している。 セキュリティの確保には2種類ある。SSL という仕組みを使用する方法とSECE という仕組みを使用する方 法である。これら2つの仕組みによってデータの暗号化や本人認証が行われる。 「ANSER-WEB」は、SSL方式を使用しており(残高照会に限る。他のサービスは 現在実験中。)、銀行が独自で行っている場合は、SSL、SECEのどちらかを使 用するということになる。以上のセキュリティーに加え、「銀行ANSER」や銀 行のサーバー自体のサーバー認証やファイヤーウォールの設置により、より高い安全性を確 保している。