岡部研究会「研究論文概要集」(1999年度秋学期) について

岡部研究会では、1998年度春学期以降、参加メンバーが学期中に執筆したすべての研究論文の「概要」を学期毎に一冊にとりまとめて刊行しています。本書は、1999年度秋学期のものであり、このシリーズの第4号に該当します。

今学期の研究テーマは、研究会1は「金融研究:情報化の進展と金融業」、研究会2は「日本経済研究:情報技術革新と日本経済」であり、ともに情報化のインパクトを広範に検討することを中心課題としました。今回の概要集は、第3号と同様、二つの特徴があります。一つは、ここに収録されている論文要旨は、すべて研究報告会議(2000年1月22-23日、町田市で開催)で報告され、そこでの討議を踏まえて改訂されたものとなっていることです。もう一つは、この冊子の刊行が湘南藤沢学会の正式刊行物として発行されることです。

本書刊行の理由は二つあります。第1に、各研究の成果の要点を記録しておくこと自体に意味があるからです。第2には、研究テーマとして多様な視点があることを実例で示すことによって、今後議論の糸口を見つけるヒントになることが期待されるからです。個々の論文に対する質問等は、直接執筆者に対して行ってください(電子メールアドレスは各人の名前のあとの記号@sfc.keio.ac.jp です)。

なお、これらのうち最優秀と認められたもの(各研究会1編、計2編)は、従来どおり、その論文全体が単独刊行物として湘南藤沢学会より刊行される予定です。

2000年1月  総合政策学部  岡部光明


目 次

研究会1

電子マネーを巡る制度整備上の課題(赤平英明)-------------- 1

生命保険相互会社の株式会社転換(桑原裕介)--------------- 2

非金融機関の電子マネー発行業務への参入について(高谷 淳)------- 3

銀行財務データの判別分析と銀行格付け・株価の比較(廣田雄一) ----- 4

日本のマネーロンダリング対策の検討課題(山内賢太郎) --------- 5

インターネットが証券業に与えた影響は何か(後藤善行) --------- 6

日本における金融大改革の背景と概要、その展望(相澤 輝) ------- 7

EDIの現状と課題(遠藤裕介)---------------------8

メインバンク制の機能変化について:企業の資金調達の観点から(大井曉道)- 9

株式持ち合いの動向:形成過程から今後の展望まで(浜田紘子)-------- 10

資産価格の変動が設備投資に与えた影響(山本洋輔)------------11

銀行業:近未来21世紀に求められる機能(小野雅史)------------12

銀行のヒト・モノ・カネ(嶋 頼彦)-------------------- 13

IT革命による株式市場の変化とコーポレート・ハガバナンスへの影響(當銘正道)---- 14

倒産確率でみる都銀(山口陽平)-------------------- 15

エージェンシー理論からみたコーポレート・ガバナンス(岡崎真弓)---- 16

アメリカ経済におけるニューエコノミー論の検証(工藤範隆)------- 17

日本版金融ビッグバンの現状についての考察(田中一栄)--------- 18

研究会2

岐路に立つ企業年金:退職給付会計の導入(大八木 香織)---------19

株式持ち合いの経済的意味(岡部貴士)----------------- 20

日本の労働市場における流動性と年功度、賃金決定要因の分析(菊池啓吾)- 21

21世紀におけるアジアの成長性の検証:人間開発の視点から(久米兵衛)--22

日本におけるベンチャー・ビジネス環境の考察(篠田陽子)-------- 23

EUとASEANの経済比較分析と日本企業の対応(久光 威典)------24

為替と対日直接投資の実証分析(大貫裕樹)--------------- 25

日本における企業と銀行の今後の関係(片桐新之介)----------- 26

企業の環境情報開示が資金調達に与える影響(金沢拓朗)--------- 27

ベンチャー企業における支援環境(花村憲治)-------------- 28

2部門経済発展論による経済発展分析(堀田朋也)------------ 29

The political and economic contexts of the international rule-making commit -ments for foreign direct investment in the Asia-Pacific(松村音彦)- 30

金融業における取引チャネルの多様化と異業種参入の現状(後藤善行) ---31

住宅金融公庫:住宅金融の証券化(溝本貴洋)-------------- 32

日本における環境税の適用可能性(大島嘉友)-------------- 33


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