信用供与プロセスのアンバンドリングとユニバーサルバンキングの機能



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信用供与プロセスのアンバンドリングとユニバーサルバンキングの機能

3.と4.で、信用供与プロセスのアンバンドリングとユニバーサルバンキングの 金融機関経営上の様々な機能について論じてきた。それらは、金融の自由化、 グローバル化、証券化、エレクトロニクス化といた金融機関をとりまく諸条件 の変化に対応するための3つの機能に要約できる。

第一に、企業の銀行離れというような状況下にあって、金融機関は顧客ニーズ を的確にとらえ、対応して行かねばならない。エージェンシー問題の解決、ま たは、幅広い金融サービスの提供といった、より付加価値の高いサービスの提 供は顧客との長期的な取引関係の維持に貢献している。

第二に、諸条件の変化によって金融機関の収益構造も変化している。従来の預・ 貸金業務では収益率は低下する一方である。それに対して、新しい金融仲介の 手段を用いることによって、収益の安定化・向上を図っている。

第三に、収益の増加を図っても、リスクが大きくなってしまえば、収益の安定 化は図れない。安定して成長性のある金融機関経営にするために自己資本の負 担を減らすとともに(自己資本比率の充実)、リスクを定量化し、そのリスク に見合ったリターンを得ている。



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Hidefumi Watanabe
Tue Apr 30 13:44:21 JST 1996