エレクトロニクス化が進展している決済システムの現状をみた場合、第一の特 徴として挙げられるのは、決済ボリュームの急速な拡大である。もちろん、決 済取引が経済活動の拡大にともなって増大するのは当然のことであるが、わが 国の代表的な民間決済システムである手形交換制度、全銀システム、外為円決 済制度の三つについて、その決済の合計を名目GNPと対比していみると、19 00年代初から長期に渡って比較的安定的に推移していたが、80年代後半以 降、顕著な伸びを示している。ちなみに、この3つの決済システムの決済金額 の総額は、わが国の名目GNPに対して約25倍にも達する(図18参照) [12]。