第三次オンラインシステム構築の背景



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第三次オンラインシステム構築の背景

昭和50年代末の三次オンの構築の背景には、(1)二次オンの更改時期が近付いた こと、(2)金融自由化進展に伴う経営環境の変化や業務分野の拡大があげられる。 また、(3)通信の自由化や通信・情報処理技術の急速な技術革新も大きな誘因となっ た。

では次に、金融・通信の自由化と三次オン構築の関係について簡単に触れてみ たい。日本における金融の自由化は、(1)1982年の新銀行法の施行、 (2)1984年の「日米円・ドル委員会報告書」および大蔵省「金融の自由 化および円の国際化についての現状と展望」などの提言に沿って進められた。 この自由化は、''金利の自由化''と''業務の自由化''に整理することができる。 このような自由化を背景に経営環境の変化や業務分野の拡大が生じた。三次オ ンでは、このような変化に対応するようなシステム設計が行なわれた。

通信の自由化は、1971年から段階的に進められてきた。三次オンとの関連 で述べるならば、1985年に公衆電気通信法の廃止、電気通信事業法の施行 が行なわれ、電気通信事業が民間に解放されたことが重要であると考えられる。 このような通信自由化は、金融情報システムに次の二つの変化をもたらしたと 考えられる[7]。第一に、当初の金融機関のコンピューターシステ ムは内部事務の合理化を目的として、営業店とコンピューターとを専用回線で 接続したものであった。そのため、一機関内で閉じたネットワークを利用して いた。しかし、専用回線の共同使用許可により、金融機関相互接続のネットワー ク構築が進展した。第二は、通信自由化により金融機関にも情報処理業者とし ての業務を行なえる可能性が出てきており、以下でみるように新しいサービス を提供する金融機関も登場している。このように、通信の自由化は金融機関に 対し、ネットワークによる業務展開を新たな経営戦略の一つとして位置付けて いる。



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Hidefumi Watanabe
Sat Jan 6 19:31:05 JST 1996