1970年代後半から始まった第2次オンライン化においては、勘定科目相互間の
連携処理を可能とする総合オンラインシステムに移行し、また金融機関相互の接続が
進められた。第2次オンライン化による預金者サ−ビスの改善としては、普通預金
口座と定期預金口座を結合した総合口座が開発されたこと、およびCDやATMのネットワ
−クの構築が進んだことがあげられる。この結果、1980年代前半には全国銀行
のCD・ATMの設置店舗率は90%を超えるにいたり、89年度末には98.7%に達
している。1店舗あたりCD・ATMの設置台数も83年度末の2.2台
から89年度末には3.1台に増加しており、窓口業務のかなりの部分は顧客が機械を
直接操作することによって行われるようになっている(経済企画庁総合計画局(1991)による。)。
銀行間のCDオンライン提携は各業態ごとに限られた形でスタ−トしたが、近年はそ
の統合も進み、都市銀行オンライン(BANCS、都銀キャッシュサ−ビス)と地方銀行オン
ライン(ACS、地銀CD全国ネットサ−ビス)が90年2月に結合されたのをかわきりに、
都市銀行オンラインは90年7月までに第2地方銀行や信用金庫との提携を完了して
いる。
一方、顧客のコンピュ−タシステムと直接接続して行うファ−ムバンキングやホ−ムバン
キングも始まり、そのための共同ネットワ−クシステム(SDS、CNS、ANSER、CAFISなど)
も稼働を始めた。
このように第1次および第2次オンライン化においては、日常業務処理等の営業店事務をいか
に効率的に行うかが課題とされ、勘定系システムの充実に力が注がれてきた。この
結果、現金・小切手の収納などを行う窓口業務と記帳を行う後方業務とが統合され、
短時間で預金や払い戻しが行えるようになった。そして最近ではCD・ATMなどの自動
サ−ビス機器取り引きが全顧客取引件数の70〜80%を占めるようになったといわれており(経済企画庁総合計画局(1991)による。)、また
金融機関としても熟練者に頼っていた窓口業務のかなりの部分を未熟練者やパ−ト
タイマ−に切り替えることが可能になったため、経費の減少にもなっている。
とくに第2次オンライン化においては、科目間の連動処理ができるようになった
だけでなく、現金自動支払い機(CD),現金自動受払い機(ATM)といった端末機の導入
による銀行業務のセルフ・サ−ビス化が進められ、銀行業務の合理化・効率化に大
きく寄与した。また、営業店の合理化・省力化・顧客管理の充実などが図られた。