金融機関のオンライン化進展と決済システムの高度化

企業や個人の経済活動としての商取引にはそれに伴う支払いが必要となる。支払いの 方法としては現金による支払いから小切手、手形、さらには電子的な手段による様々 な方法とそれを支えるシステムが発展してきている。
 決済システムは、(1)銀行と消費者や企業による支払い(payment)、(2)銀行間の 清算(clearing)、(3)中央銀行による決済(settlement)といった階層になっている (松尾良彦・江頭孝久(1986))。中央銀行による決済はすべて の支払い、清算の最終的な決済であるという意味で完了性(finality)のある決済と呼ばれる。 決済システム全体はこれを頂点とし、様々な決済システムが重層的に積み重なるピ ラミッド状のヒエラルキ−をなしている(資料2参照)。
 この章では、以後金融機関のコンピュ−タシステム化(資料3参照)をみていきたい。そして、 決済を全国的に完結させる上で基幹となっている全国銀行デ−タ通信システム、および日本銀行金融ネットワ−クシス テムについてみていく。