POSとは、Point of Sales(販売時点管理)の略であり、小売店頭における商品
別売上げ
情報を単品ごとに収集,登録,蓄積し,分析するシステムのことである。正確な情報を
迅速に把握できることから、売れ筋でない商品の排除と売れ筋商品のの発見による品
揃えの強化に役立つ。商品に印刷されたバ−コ−ドなどをスキャナ−で読み取り、売
上げ情報を収集する。店頭情報をベ−スとした新しい流通システムを構築し、流通全
体の効率化を目的とし、POSが流通の中に導入されつつある(『金融情報シ
ステム白書』平成8年版による。以下の説明もこれによる。)。
銀行POSとはPOSの中でも、小売店のPOSシステムと銀行のコンピュ−タを通信回線
で結ぶことにより商品代金を客の預金口座から小売店の口座に自動的に振り替える
システムである。銀行POSは、小売店のPOSシステムの拡大とともにふえている。し
かし、他の先進諸国と比べるとわが国での普及の割合は低い。
日本の銀行POSサ−ビスの特徴は、一部の都市や商店街,ショッピングセンタ−など
を核とする多数の地域ネットワ−ク単位で成り立っていることである。これは、欧州
主要各国の銀行POSサ−ビス(EFT・POS)(EFTとは、Electronic Funds Tran
sfer(電子資金取引)の略である。)が当初から全国ベ−スのネットワ−クづくりを
指向しているのと対照的である。わが国のこのような地域ネットワ−クによる銀
行POSサ−ビ
スは、同一地域に本店を置く多数の金融機関の参加による地域共同型のサ−ビスとし
て進められている。
地域共同型の銀行POSサ−ビスは、平成2年以降、石川県,福井県,新潟県,大分
県,福島県,九州北部3件(福岡県,佐賀県,長崎県)等において実施されており、
これらの地域の利用顧客は、地域ネットワ−クに参加している多くの金融機関の契約
企業において銀行POSサ−ビスを利用できることとなった。
また、福井県,京都府,大分県,福島県,九州北部3県等の地域共同型の銀行POS
に参加している金融機関では、共同決済口座を設けており、これにより契約企業が
すべての参加金融機関に口座を開設することなく1口座で複数金融機関間の資金決
済を可能としている。さらに、契約企業がすべての参加金融機関と銀行POS契約を締
結する必要がない等、事務手続きの負担を軽減している。
銀行POSの運営形態での特徴は、金融機関の営業時間外及び休日についても銀
行POSサ−ビスを利用できるようになっていることである。金融機関の営業時間
内は、利用企業のPOS端末と金融
機関のコンピュ−タを通信回線で接続し、取引に関する代金を購買者の口座から即時に
引き落し、販売者の口座へ振替処理を行うオンライン処理が一般的である。また、金
融機関の営業時間外・休日の取引については、NTTデ−タ通信のCAFISセンタ−に取引
デ−タを蓄積して翌営業日に代金決済を行うオフライン処理が一般的である。