概要

 ホ−ムバンキングは、電話回線等を経由してキャプテン端末,電話など種々の メディアを利用して、銀行取引やサ−ビスを家庭にいながらにして受けることの できるサ−ビスである。本来、オフィスであろうが一般家庭であろうが、銀行と 顧客とを通信回線で接続して、いろいろなデ−タの送受信を行い、顧客の利便性や 銀行の省力化に寄与するシステムを総称してホ−ムバンキングと呼んでいたが、 日本では個人マ−ケット向けのシステム・サ−ビスに限定した意味でホ−ムバンキ ングと呼ばれている。
 ホ−ムバンキングの狙いの一つには、銀行が顧客と一層強固な取引関係を築くこ とにあるが、その顧客の対象がファ−ムバンキングでは事業法人を中心とした企業で あるのに対して、ホ−ムバンキングでは個人の顧客をその対象としている。すなわ ち、個人顧客取引のメイン化と取引深耕を図ることがホ−ムバンキングの狙いであ る。
 利用端末は、機械化通達改正(端末機種の制限撤廃)によって平成元年10月よ り、家庭用のテレビゲ−ム機やワ−プロなどのホ−ムユ−ス端末によるサ−ビスが 開始された。利用端末は、他にも電話やファクシミリなど多様である。
 サ−ビスの内容は、取引照会、資金移動、試算照会、通知、情報案内、申込み依頼 などがある(資料10参照)。取引照会では、預金と国債と借入のサ−ビスが受け られる。預金のサ−ビスとしては、預金(信託)残高、振込・取立・自動引き落し、 定期・積み立て・信託等がある。資金移動では、特定先への振込や預金間振替ができ る。試算照会というのは、ロ−ン借入や年金受給の審査と積立、年金財形、相続税の 計算というサ−ビスが提供されている。というのが、日本のホ−ムバンキングの一般 的なサ−ビス内容であるが、外国でのホ−ムバンキングのサ−ビス内容はまた異なって いる。アメリカでは、日本と異なり自動引き落しがあまり普及していない。BIS(国際 決済銀行)の調査 によれば、1991年中のキャッシュレス決済に占める自動引き落し件数の割合は、 日本が39.8%であるのに対して、アメリカはわずか0.8%にとどまっている。こ のため、アメリカでは小切手関連処理の代行や口座資金移動を伴うサ−ビスについては、顧客側の ニ−ズが高いといわれている。自動引き落しに代わる手段として、公共料金等の 請求を受けた顧客が金融機関に対して支払指図を行うBill Paymentと呼ばれるサ−ビ スを提供する金融機関が増加している。


Last updated '97/03/03