当研究会の基本テーマは、 情報技術革新と金融業および日本経済である。 情報技術革新の波は、 社会全体に大きな影響を与えつつあるが、 経済面に着目すると、 取引の形態、 組織の構造や意志決定方式、 資金決済の仕組みなど、 さまざまな面で大きな変革をもたらしている。 その結果、 産業区分の不明瞭化、 競争形態の変化などが生じる一方、 「経済の新次元入り」 といわれるようにマクロ経済にも大きな影響を与えつつある。 本研究会では、 経済のこうした側面を 「情報技術革新と金融業」 (研究会1) および 「情報技術革新と日本経済」 (研究会2) という2つの視点から、 理論的かつ実証的に研究することを第1の目的としている。 それを踏まえて、 望ましい公共政策のあり方を研究すること、 これが第2の狙いである。
情報技術革新の影響以外にも、 バブル崩壊の影響、 アジア諸国によるキャッチアップ、 日本での高齢化や経済成熟化、 経済取引のグローバル化など多くの条件が変化しているので、 研究内容はいきおい多岐にわたるが、 基本視点は情報技術革新の影響である。 なお、 当プロジェクトでの研究は、 基本的な書物や論文の輪読、 そして参加者各自による研究論文執筆、 この二つを並行して進める。 また、 参加者の研究基本的技術の修得・高度化、 研究成果の蓄積、 および人間的な繋がりの形成、 といったことも重視して研究活動を行う (成果の蓄積やこれらの点については上記URLを参照)。